地上型レーザースキャナー

2022.09.30
レーザー動画

精細な点群データを取得するために地上型レーザースキャナーは有用です。得られたデータは構造物の形状保存・災害予知などのために使われます。

地上型レーザースキャナー計測事例

レーザースキャナーは、一度に大量の点群データを取得することができます。 この点群データは、一点一点が独自の座標値(X,Y,Z)を持っています。また同時に写真撮影する事により、その点に色(RGBカラー)及び反射強度の情報も持たせる事ができます。
地上型レーザースキャナーの特徴は比較的精細なデータを得られることと水平360°・鉛直270°の測定範囲の自動フルドームスキャンが可能なことです。そのため構造物の壁面や内部から見た天井部の3次元データも計測可能です。
以下ではレーザースキャナーを用いた具体的な計測事例をご紹介します。

◆ 構造物(トラス橋)の計測

データを使用した動画 1

データを使用した動画 2

吾嬬橋(旧坂東橋)
平成18年度選奨土木遺産(土木学会)吾嬬橋は1901年(明治34年)に群馬県の前橋市と渋川市を結ぶ「道路、鉄道併用橋」として架けられた希少価値の高いトラス橋である。
現地の写真

現在は中之条町(旧六合村)に移築され、100年経った現在でも生活道として使われている。
全長69m、道路幅員2.5m、桁高11.4mペンシルバニア型トラス橋で材料は全てアメリカ産輸入鋼材を使用している。

◆ 道路擁壁の計測

道路擁壁の計測
大規模な土砂崩れが発生した現場における、復旧後の現在を計測した事例である。 継続的な計測により災害予知等、災害対策に役立てる。
このデータは壁面に対して約6mm間隔の点群データとなっている。 3次元データを可視化する事で、より詳細な情報分析が可能となる。この画像は、反射強度による表示である

◆ ビルディングの計測

これは、レーザースキャナーにより建物を4方向から計測し、合成したものである。これを用いて、文化遺産、土木遺産等を計測すると、後世に繋ぐデータ保存が可能となる。
建築分野で進んでいるBIMに対しても対応可能となっている。

◆ トンネルの計測

延長100mのトンネルを5個所から計測したものである。
活用方法として、工事前、工事後を計測することにより、コンクリート巻厚チェック等が簡単に行える。
また、ひび割れや欠損部等の位置情報を把握する事で、その後の対策や維持管理としての活用が考えられる。

◆ MMSによる計測

データを使用した動画
MMSとは、車に搭載したレーザースキャナーで走行しながらデータ取得を行うものである。
レーザースキャナーは前方2台、後方1台の計3台で計測を行う。また、360度全方向カメラを搭載し、同時に撮影も行っている。
近年では、都市をまるごとデータ化するなど、今後幅広い活用が見込まれる。

データを使用した画像